参加者インタビュー

【参加者インタビュー】自分にとってオーケストラとは何かを考えた4日間

(大澤花鈴さん 高校2年)

コンミスとしての役割を見つめ直したい

大澤さんは今、高校のオーケストラ部に入り、外部でジュニアオーケストラにも所属しているのですね。

大澤花鈴さん(以下/大澤):はい、両団体でコンサートミストレス(以下コンミス)を、ジュニアオーケストラではインスペクターも兼任しています。コンミスは音楽的に、そしてインスペクターでは演奏者の生活面を重点的に率先していく立場にあるので、リーダーシップを問われる場面が多いです。

そんなリーダー意識の芽生えが、キャンプ参加の理由になったのでしょうか。

大澤:改めて振り返ってみると、私は小学3年生でオーケストラを始めて、いわゆる「流れ」で今のコンミスやインスペクターという立場に就くことができました。コンミスになるためにすごく努力をしてここまできた、というわけではなくて。だけどあるとき、そんな「流れ」の姿勢は、音楽や周りに対して失礼だと感じ、自分を省みたことがあったんです。すると、本来コンミスは「みんなのために、何ができるのか」と考えるべきなのですが、自分のことでいっぱいで周りを見ることができていなかった自分に気付きました。具体的にそれをどう解決すれば良いのか、自分の役割はなんなのかと考える日々が続き、正解が分からなくなったときに、このキャンプの存在を知りました。参加することで、「音楽」というツールで、リーダーシップとは何か、オーケストラとは何か、私は何のために音楽をやっていたのか、一度止まって考え直したいと思い参加することを決めました。

このキャンプが始まる前、大澤さんの中でコンミスやインスペクターなどの「こうあるべき」というリーダーの理想像はありましたか?

大澤:色々ありますが、一番は「人のことを巻き込めるリーダー」です。例えば、オーケストラの位置関係。前の席にいる人だけが頑張っている、ということがよくあるんです。後方の演奏者も頑張っているのに、前の人に比べると背負う責任感の違いからか熱量が伝わりにくいのです。そうではなくて、私は席の場所に関係なくフラットに、皆が同じ熱量で音楽と向き合うのがベストだと思います。だから、演奏者全員のモチベーションを上げ、やりたいことを引き出せる「巻き込むリーダー」に憧れていました。

では、Amasiaのサマーキャンプに参加することで、その理想像に変化はありましたか?

大澤:正直な話をすると、私はリーダーシップを取ることが好きなのだと思います。普段はコンミスとして「自分が、自分が」と主張することが多かったのですが、敢えて自分は前に出ない、と一歩引くことを学びました。そうすることで、メンバーを前に出させる。放任とまでは言いませんが、「私がやればいい」という重圧感がなくなりました。例えば、2日目のラウンドプラクティスでは指揮者なしで演奏しましたが、いつもなら「自分が息を出して合図しなくては」と行動していたと思います。そうではなく、誰が主導するか感覚を研ぎ澄まし、周りの音を聴いてみる。その感覚を、このキャンプで始めて掴むことができました。そして、この周りの音を聞くことはオーケストラで一番大切なことで、互いに聞きあい協調することを帰って伝えていけたらな、と思いました。

誰とでも対等な意見交換ができるのがキャンプの魅力

特に印象に残っていることはありますか?

大澤:私は高校生なのですが、他のメンバーは大学生や社会人ばかり。「うまく意見を伝えられないんじゃないか」「私の意見は理解してもらえないかも」と考えていたのですが、ここのメンバーの方はどんな言葉でも拾ってくださります。うまく言えなくても「こういうことだよね」「私はこう思うよ」と対等な立場で言葉を交わせる。だからこそ意見を言いやすかったし、視野を広げることができました。

サマーキャンプを終えて自分のオーケストラに戻ったとき、どんなことを実践していきたいですか?

大澤:まずは練習方式の変更を提案したいです。例えば、コンミスである私がいつも前の席で弾くのではなく、思い切って別の人をコンミスにしたり、前の席で弾かせたりして、私たち上級生は見守る。他にも、今回はコンミスや指揮者ではなくオーボエに合わせてみよう、とか。色んな方法があります。そうすることで、演奏者全員がフラットな意識を持つことができると思います。

ちなみに、大澤さん自身はまたサマーキャンプに参加したいですか?

大澤:参加したいのですが、大学受験があるので…。なので、後輩を送りこみたいです。

どんな後輩に来てほしいでしょうか。

大澤:音楽をしている中で、「どうして自分は音楽をしているのだろう」という悩みに誰もがいつかは突き当たると思います。ですが、そんなときに自分1人で考えていても悶々とするだけ。特にヴァイオリンを小さい頃から習っている人は、流れに身を任せて「親に言われたから」と、何となく続けている人が多い気がします。未来のビジョンやミッションが見えていないからこそ、そこで挫折してしまう人もいる。そういう人には、とにかく考え切ってほしいです。Amasiaのサマーキャンプに来れば、たくさんの同じ思いを抱えている人と一緒に考え学ぶことができると思います。